金融系企業においては、顧客から各種ローンやクレジットカードの申し込みがあったとき、それが適切なものかどうか審査を行う必要がある。しかしこの審査に実物の書類を使用すると、紛失や盗難に遭う、内部の人間に持ち出される、情報が関係ない人間の目に触れる、メールで連絡する際の誤送信などインシデントを引き起こす…などのリスクが生まれてしまう。
そこで金融系企業A社では、多機能ビューイングエンジン「PrizmDoc(プリズムドック)」を活用し、セキュアな審査プロセスを実現。こうした懸念の払拭を図っている。このホワイトペーパーでは、A社の具体的な取り組みについて詳しく紹介していこう。
審査プロセスに存在するさまざまなリスク、万が一のときは大きな信用問題に発展も
銀行、保険、カード会社などの金融系企業では、顧客から住宅ローンをはじめとする各種ローンの申し込みや、クレジットカード作成の申請があったとき、その者に一定以上の収入があるか、他に大きな借金を抱えていないか、事故歴がないかなどを調べ、慎重に審査を行う。
こうした申し込みや申請に使われる書類には、本人の氏名、生年月日、住所、電話番号、勤務先、年収、家族情報など、かなりセンシティブな情報が記載される。また、これに運転免許証やパスポートなどの本人確認書類も加わる。さらに住宅ローンでは、住民票、印鑑証明書、売買契約書、金融機関の借り入れ状況、源泉徴収票、所得証明書などの公的な収入証明書類も必要となる。
多くの金融系企業では、審査を実施する際、こうした個人情報が記載された実物の書類/証明書類をそのまま使っているが、これにはさまざまなリスクが存在する。例えば、何かの拍子で書類を紛失してしまうかもしれないし、社内外の人間に盗み出されてしまうかもしれない。書類自体が無事でも、情報が業務と関係ない人間の目に触れる可能性があるし、うっかりミスでスキャンしたデータをメールで誤送信してしまうこともあるだろう。万が一にでも、このようなインシデントにより顧客の個人情報が外部へ流出してしまうようなことがあれば、損害賠償や機会損失により金銭的なダメージを受けるのはもとより、企業としての信用を大きく失ってしまうだろう。
そこで金融系企業A社では、こうしたセキュリティ上の懸念を払しょくするため、実物の書類を使用せずに審査を実現するしくみを構築することにしたのである。